ソリューションストーリー

ランセット
STORY 03

屋外イベントの快適性向上を目指した
遮熱性テント膜の開発

昨今の猛暑日の増加により、屋外イベントの安全性と快適性が大きな課題となっています。これを受けて、イベントテント事業のお客様から「遮熱性と透光性を両立させたテント生地を提供してほしい」という相談が当社に寄せられました。そこで、当社のグループ会社であるIMSテクノ株式会社と共同で、テント生地の樹脂配合を改良し、暑さの原因となる太陽光の赤外線をシート表面でカットしながら、テントの内部の明るさも確保するテント生地を開発。遮熱性と透光性を両立させ、屋外イベントにおけるテントの快適性を向上しました。

お客様情報

イベントテントの製造・リースを手がけ、ワンタッチで設営できるテントや多様なテント製品を提供する事業者

提供ソリューション

日中のイベントで使用するテントについて、太陽光による熱をカットしながら、テント内部の明るさを維持するテント生地を開発。遮熱性と透光率のバランスを実現しました。

1. 屋外イベントをより快適にしたい

イラスト:ランセットの針がむき出しになっていて困った様子の医療関係者

暑い夏に屋外で行われるイベントでは、テントの陰にいても暑いもの。近年は夏場の暑さが厳しく、お客様から「テント内が暑くなりにくい生地を開発してほしい」という要望をいただいた当社。一般的なイベント用テントに使用されていた白い防水性シートの樹脂配合を根本的に見直し、テント内部の温度上昇を抑える改良に着手しました。日陰部分を涼しく保ち、誰もが安心して、快適に屋外イベントを楽しめる素材開発への挑戦が始まりました。

2. 遮光性と透光性の両立を追及

イラスト:試行錯誤して製品開発を進める様子

お客様からの最も重要な要望は暑さ対策でしたが、遮熱効果のみを追求すると透光率が下がり、テント内まで暗くなってしまいます。しかし、イベント会場では明るさも必要です。当社は、涼しさを保つ遮熱性と明るさを保つ透光率という、相反する二つの性能を検証するため、製造を担うIMSテクノ株式会社に協力を要請。当社の開発チームは「お客様の使用現場」「開発現場」「製造現場」の全てに足を運び、IMSテクノ株式会社へ現場の声を正確に伝え、樹脂の配合を見直すことで赤外線カットと透光率のバランスを取る方法を模索しました。
実際に使用環境を想定したサンプルを作成し、テント内部の温度と明るさを測定する検証を重ねました。その結果、遮熱性と透光率を兼ね備えた仕様を確立し、お客様の商品に採用となりました。技術的な革新性や性能の高さだけでなく、お客様の要望に寄り添い、グループ全体の迅速な対応ができたこと、何よりもIMSテクノ株式会社の協力のおかげで、成功につなげることができました。

3. 新たな可能性への挑戦

イラスト:新たなランセットが開発され、喜ぶ医療関係者

暑さ対策のニーズは屋外活動の増加やキャンプ人気の上昇、子どもたちの屋外遊びにおける熱中症対策として、今後もさらに拡大し続けることが予想されます。今後は、イベント用テントにとどまらず、厳しい暑さの中でも、より安全に、より快適に人々が集う空間づくりに貢献する製品開発に挑戦し続けます。キャンプ、アウトドアイベント、教育現場など、様々な場面で私たちの技術が活用され、子どもから高齢者まで全ての方が安心して交流できる。そんな空間を提供することが私たちの使命です。
これからも先進的な技術開発を通じて、すべての世代が安心して過ごせる社会の実現に貢献していきます。