1. 屋外イベントをより快適にしたい

暑い夏に屋外で行われるイベントでは、テントの陰にいても暑いもの。近年は夏場の暑さが厳しく、お客様から「テント内が暑くなりにくい生地を開発してほしい」という要望をいただいた当社。一般的なイベント用テントに使用されていた白い防水性シートの樹脂配合を根本的に見直し、テント内部の温度上昇を抑える改良に着手しました。日陰部分を涼しく保ち、誰もが安心して、快適に屋外イベントを楽しめる素材開発への挑戦が始まりました。
2. 遮光性と透光性の両立を追及

お客様からの最も重要な要望は暑さ対策でしたが、遮熱効果のみを追求すると透光率が下がり、テント内まで暗くなってしまいます。しかし、イベント会場では明るさも必要です。当社は、涼しさを保つ遮熱性と明るさを保つ透光率という、相反する二つの性能を検証するため、製造を担うIMSテクノ株式会社に協力を要請。当社の開発チームは「お客様の使用現場」「開発現場」「製造現場」の全てに足を運び、IMSテクノ株式会社へ現場の声を正確に伝え、樹脂の配合を見直すことで赤外線カットと透光率のバランスを取る方法を模索しました。
実際に使用環境を想定したサンプルを作成し、テント内部の温度と明るさを測定する検証を重ねました。その結果、遮熱性と透光率を兼ね備えた仕様を確立し、お客様の商品に採用となりました。技術的な革新性や性能の高さだけでなく、お客様の要望に寄り添い、グループ全体の迅速な対応ができたこと、何よりもIMSテクノ株式会社の協力のおかげで、成功につなげることができました。
3. 新たな可能性への挑戦

暑さ対策のニーズは屋外活動の増加やキャンプ人気の上昇、子どもたちの屋外遊びにおける熱中症対策として、今後もさらに拡大し続けることが予想されます。今後は、イベント用テントにとどまらず、厳しい暑さの中でも、より安全に、より快適に人々が集う空間づくりに貢献する製品開発に挑戦し続けます。キャンプ、アウトドアイベント、教育現場など、様々な場面で私たちの技術が活用され、子どもから高齢者まで全ての方が安心して交流できる。そんな空間を提供することが私たちの使命です。
これからも先進的な技術開発を通じて、すべての世代が安心して過ごせる社会の実現に貢献していきます。